医薬品開発の流れ

研究・開発

医薬品開発の初期段階であり、医薬品候補の探索および候補品の有効性・安全性評価を行います。

1-1. 創薬研究

創薬のアイデア

  • 文献調査や疫学的なデータ分析を通じて、疾患に関する情報を収集し、病態や病因を理解

  • 疾患理解や治療ニーズをもとに、新薬開発に向けたアイデアを得る

標的の選定

  • 疾患に関連する特定の分子標的(疾患の進行や症状に関与する分子やタンパク質)を見つける

化合物の探索

  • 標的を持つ化合物や化学物質を探索し、候補となる化合物を見つける

選定

  • 最も有望な候補を選定

1-2. 事前臨床試験

薬効薬理試験

  • 化合物や医薬品の標的に対する生物学的な効果を評価

  • 細胞ベースの試験や動物モデルを使用する

安全性評価

  • 化合物や医薬品の安全性を評価

  • 毒性試験や代謝解析、薬物相互作用の調査などが含まれる

薬物動態評価

  • 化合物や医薬品の体内動態や薬物効果を評価

  • 吸収・分布・代謝・排泄(ADME)の研究や薬物動態モデリングが含まれる

臨床試験

医薬品の有効性や安全性などをヒトを対象とした試験によって評価します。

2-1. Phase1

【対象】

健康なボランティアや少数の患者

【目的】

新しい医薬品や治療法の安全性、忍容性、代謝特性を評価する

【実施内容】

安全性の確認

投与量の最適化を検討

安全性データ、薬物動態データ、副作用の報告などを収集

2-2. Phase2

【対象】

疾患を持つ患者

【目的】

医薬品や治療法の効果と副作用の評価を行う

【実施内容】

医薬品や治療法の有効性と安全性を評価

投与量や投与スケジュールなどの最適化も検討

2-3. Phase3

【対象】

多数の患者

【目的】

医薬品や治療法の安全性と有効性をより詳細に評価する

【実施内容】

大規模で多施設の臨床試験を実施

ランダム化比較試験(RCT)が一般的であり、被験者は医薬品の投与群と比較群にランダムに割り当てられる

有効性、安全性、投与量、投与期間などを詳細に評価

承認申請

PMDA(医薬品医療機器総合機構)に申請し、審査を受けます。

3-1. データ収集

  • 臨床試験や非臨床試験などで得られた医薬品に関するデータを収集

  • 品質データ、安全性データ、有効性データなどが含まれる

3-2.
承認申請書の作成

  • 提出するための承認申請書(新薬承認申請書)を作成

  • 申請書には医薬品の詳細な情報、試験データ、製造方法、品質管理などが含まれる

3-3. 承認申請の提出

  • 承認申請書をPMDAに提出

  • 提出時には所定の申請費用がかかる

3-4. 審査

  • PMDAによる審査

  • データの信頼性、品質、安全性、有効性などが評価される

3-5. 審査結果の通知

  • 承認が下りれば、医薬品が市場で販売・使用できるようになる

  • 審査結果によっては、特定の効能・効果や用法・用量の制限、安全性監視の要件などが課せられる場合もある

参考情報

資料

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